小島

2020.11.20

髪と日本の宗教

こんにちは、小島です。


今回もさっそく前回から続きの髪と日本の宗教の関係について、調べていきたいと思います!


かつての日本では、「女性は祭祀を司る存在」であり、神事に関しては「男性よりも大きな権力」を持っていたといわれてます。


邪馬台国の女王である卑弥呼のように、巫女的な力をもった女性が国を治めていたこともあったのです。


そして古来から、女性の髪の毛には魔力があると言われて来ました。長ければ長いほどその力は強くなり、髪を切ると力が無くなるとされたため、神託を受ける巫女などは髪を伸ばしていました。


主に巫女の髪型、垂髪とは平安時代の上流階級の女性の髪型でした。


この時代も髪には霊力が宿ると考えていたため髪を切ることなく伸ばし続け、時代が進むと長い髪を後ろにまとめて和紙でできた髪飾りの「丈長」を巻くようになります。


この髪型を「垂髪」と呼びます。


垂髪は安土桃山時代の上流階級から一般庶民まで幅広く使われてきましたが江戸時代になると結髪が流行したため垂髪は廃れていきます。


現在まで垂髪を継承したのは皇族などの高位の女性と神社の巫女だけです。



しかし長い髪は、神聖な力ばかり引き寄せるわけではないのです。


僧侶にとって髪は煩悩の象徴とされています。


髪を剃るという行為は、煩悩にまみれた自分が、首を落として清潔な自分に生まれ変わるという意味もあり、首の変わりに髪を落とすというのが剃髪です。


仏教では、髪はどんなに剃っても生えてくるため、いつもきれいに整えることで煩悩と自分自身を切り離すことを試みるという考え方があります。


このように髪は、俗世や煩悩と己自身を結びつける象徴のような意味をもちます。


そのため僧侶は、現世のあらゆる欲望を捨て、悟りへ少しでも近づくため、主に出家の際に剃髪を行うのです。


しかしこの剃髪も、仏教の宗派によって考え方が異なり、仏教の中でも髪を伸ばすことを禁止していない宗派も少なくありません。


その中でも、浄土真宗では有髪の僧侶が一般的です。浄土真宗では「非僧非俗」という僧侶と俗人の区別を超えるという考え方のもと、剃髪という見た目よりも「心」を重んじるため、髪の有無を禁じていません。


これは、浄土真宗の宗祖「親鸞上人」が有髪であることも影響していると考えられています。


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