小島

2020.10.20

髪と科学

こんにちは、小島です!


今年の初夏に発表されたニュースですが、日本の理化学研究所などの共同研究チームが、マウスiPS細胞を使った皮膚再生に成功しました。


この皮膚は汗をかいたり毛を生やしたり、通常の皮膚と同様に機能するもので、将来的に外傷や火傷、脱毛症の治療に役立つことが期待されています。


そもそもこのip細胞ってどんなものなのでしょう。


人間の皮膚などの体細胞に、ごく少数の因子を導入し、培養することによって、様々な組織や臓器の細胞に分化する能力とほぼ無限に増殖する能力をもつ多能性幹細胞。

この細胞を「人工多能性幹細胞」と呼び、英語では「induced pluripotent stem cell」と表記。頭文字をとって「iPS細胞」と呼ばれています。 


さて、このip細胞を使った「皮膚再生」は、汗腺や毛包(もうほう)、皮脂腺といった3層の皮膚細胞から構成され、この皮膚は、神経や筋線維のような「ほかの器官系と情報伝達する」ことも可能です。


今回の研究は皮膚移植と発毛にも革新的な影響を与えました。


今までの皮膚移植は、他の部分から切り取って移し替えるか、単純な構造をした単層の表皮を移植するかのどちらかでした。


しかし、1つの皮膚細胞からiPS細胞を経由すると完璧な皮膚を作れるようになったのです。


これは薄毛治療の方法が根本的に変わることになり、研究用の人間の皮膚をいくらでも調達できるようになったことを意味します。


もう、発毛、育毛の時代ではなくなりますね(*^^*)


また医療研究に用いることで、皮膚がんの治療薬などを、疑似的に人体実験することも可能になるのです。


さらに火傷や怪我が治る過程を何度でも細かく分析できるため、外傷の治療技術を新しい次元に押し上げることができるでしょう。


人工的な皮膚と毛は、無限の可能性を秘めているのです。


新たなテクノロジーが、私たち未来を変えそうですね。

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